只今活動停止中。
 たまにひょっこり出てきたり。


--8/28--

 二次って不意に書きたくなるから不思議。

* 以前、拍手用で書いてた健二さんと佐久間の続き(三作目)。
 短文は頭の中を整理するのに丁度いい。

--9/6--

* 健二さんと佐久間の続き(三作目)のおまけ。
 こんなに短いR指定を書いたのは初めて。

* お知らせ。
 ひょっこり出てきた時はメールアドレスを表示しておきますので何かあれば
 ★を@に変えてご連絡ください。

 playroom01★gmail.com



----------------------------------------------------------------------



「じゃあ、せーので」

佐久間が珍しく真剣な顔をして提案する。

「……佐久間」
「何だよ?」
「え、っと……そういうのはさ……多分、勢いでするもんじゃないと思うんだよ。うん」
雰囲気というかなんていうか。
ほら、そういうのってあると思うんだ。

…………したことがないからわからないけど。

だけどもっとこう……そんな「せーの」でやるのではなくて。

「じゃあ、どういう感じでするもんなんだよ?」

今度は不服そうな顔をして文句を垂れ始める佐久間に僕は口篭るしかない。
だから、僕もしたことがないからわからないんだって。

「……わ、っからない…けど……お互いの気持ち、というか……」

あ、駄目だ。
自分で言ってて恥ずかしくなってきた。

……今日はもう諦めてもらおう……。

「佐久間……きょ、今日はも、――――っ!?」
「…………」
「…………」
「…………じゃあ……不意打ちだったら、イイ?」
「…………」
「健二?」
「…………」
「もしもーし、健二さーん?」
「…………――――ふ、不意打ちもだっ、駄目だっ!」

唇に手の甲を当て、僕はそこを隠した。
まだ、さっきの感触が残っている。

佐久間、の、唇の。

感触が――――

――――ぅわっ、思い出すなっ!

「ははっ。健二の顔、真っ赤」
「〜〜〜〜っ、だ、誰のせいだ、よっ!」

今度は余裕な顔をして佐久間が笑う。から、腹が立ってきた。
僕だけが余裕がない気がして。

……何だよ。

さっきまで「キスってどんな時にするもんだと思う?」って。
そんなこと言ってたくせに。
あまつさえ「せーの」の掛け声でしようとしたくせに。

佐久間のくせに。

「俺のせい、だよな?」

急に何だよ。
そんな雰囲気を作れるなら最初から……。

「――――……そう、だよ」

初めてのキスよりも。
その後の方が恥ずかしいなんて知らなかった。

まともに佐久間が見れない。
手も口元から離せない。

佐久間を意識しまくっている自分を。
佐久間に見られているのが堪らなく恥ずかしい。

――――なのに。
佐久間の視線が僕から一向に離れてくれない。

「……――――あ、そっか」

一人で何かがわかったみたいに呟く佐久間に、僕はほんの少しだけ目線を流す。

「……何?」

聞き返すと。

「わかった。キスって、こういう時にすればいいのか」

そう言って佐久間は僕の頬に手を伸ばし、

「健二、可愛い……」

いつもとは違う甘い声で囁かれながら、二度目のキスをした。



----------------------------------------------------------------------



――――さて、どうしたもんかな。

俺の肩に寄り掛かって熟睡している恋人に向かって、口には出さずテレパシーで自分の声を送ってみた。

――――ちょっと安心し過ぎじゃないデスカネ?

わざわざ俺の隣まで椅子を移動させて本を読んでいた健二は、ついさっき落ちた。
それまでうつらうつらしてるなーと思ってたんだけど。

「……健二?」

呼ぶけれど反応は、なし。
それもその筈。

――――起こさないように声を掛けるって何かオカシクね?

でも、愛しい恋人に寄り掛かられるのは悪い気はしない。
心を許しているって感じがするし?

「でもなぁ……」

揺らさないように小さく溜息を吐く。

――――何も考えずにここにいられるのも腹が立つっていうか。

キスをするまでの仲になったっていうのに。
それ以上のことをされるかもって。

――――普通は考えないか?

誰も居ない部室に二人っきり。
誰も来ない部室に二人っきり。

こんな美味しいシチュエーションなのに、健二はスヤスヤと俺の肩で就寝中。

「ま、いいけどね」

これはこれで幸せだし?
幸せを噛み締め中だし?

――――モヤモヤはするけど、ネ。

それは耐えましょう。男として耐えてみせましょうとも。
今はまだ、健二とこうして一緒に居られるだけで……。

「…………」
「…………」
「…………」
「…………あーやっぱ、やりてぇ……」

ついポロリと。
本音が飛び出したのは致し方ないと思う。



----------------------------------------------------------------------



「健二」
「んー?」
「僕たち、そろそろ次に進んでもいいのではないかなーって思うんだけど」

佐久間が急に改まった口調で言う。
その意味のわからない提案に、僕は既視感を覚えた。

「……ボクタチ? 誰それ気持ち悪い」
「……健二さん…その言葉意外に傷つくからやめて……」
「ハイハイ。それで何? 次って、佐久間は一体どこに進もうとしてるんだよ?」

佐久間は時々、僕には思いもつかないことを言い出すから油断ならない。
きっと次の言葉は僕をアッと驚かせるような――――

「手を繋ぐ」
「……は?」
「キスをする」
「…………」
「の、次にくるものってやっぱ、……あれ、だよな?」
「…………あれって……」

まさか……。

「あれ」
「…………」

アッ、どころじゃない。
心臓が一旦停止したかと思うぐらいに、吃驚した。

――――ど、どうしよう……。

何て答えたらいいのか思いつかない。
ここは茶化して……なんて考えもついたけれど、佐久間の目がずっと僕の反応を観察しているのがわかってやりにくかった。

――――あ、そうだっ!

意味がわからないって――――

「意味わかんない――――なーんて言うなよ? お前も一応は男だろ?」

……先手を打たれてしまった。

とぼけて誤魔化そうとした僕を読んで、先に佐久間が口を挟んできたから何を言っていいのかわからず、結局オウム返しに言葉を呟くしかなかった。

「……一応って何だよ」
「んじゃ訂正。男だから俺の言いたいこと、わかるよな……?」

佐久間の目は僕から離れず、その視線は有無を言わせない。
僕の心理を追い込むかのように、逃げ道を先回りして塞いでいく。

理由や理屈なんかじゃない。
ただの、本能。

男の。
佐久間の、本能――――。

「ごめんな」

謝りながらも僕にソッと、近付いてくる。

「…………なんで謝るんだよ……謝るぐらいなら、……するなよ……」

目を伏せた瞬間、僕の唇に佐久間の唇が軽く触れて、離れた。

「ごめん…健二……」

掠れた声を出しながら佐久間は僕を抱き締める。
ギュッ、と。

最後まで謝るし……。

少し震えている佐久間を、僕は腕を回して抱き返した。

「……いいよ」

許すよ。
佐久間なら。

きっと、僕もそれをどこかで望んでいた筈なのだから。



----------------------------------------------------------------------



一度覚えた快感は痛みすらもそれにすり替えてしまうらしく、健二の先端からは先走りが溢れ出してきていた。

俺に弄られ、揺さぶり刺激されている健二の姿は俺と同じ雄なのに艶かしい雌のようで。
止め処なく俺から与え続けられている快楽に、健二は体に籠もるもどかしい熱を逃すかのようにただ喘いでいた。

激しく健二を突く――――と、俺の下で健二が自分の腕を噛もうとする。
その腕を取り、自分の口元にそれを持ってくる。

「……健二……」

熱い息を吐きながら、俺は見せ付けるようにゆっくりと健二の腕を舐め上げた。

「ぅあっ! ……あっ……あ……」

健二の体が小さく飛び跳ねる。
それにより俺の中の衝動も大きく揺さぶられた。

「ふっ……健、二……なぁ…気持ち、…いい? ……なぁって…答えろ、よ……っ」
「――――い、や…だ……あ……ぁ……」

健二の目と啼く声色の中に――――そんなことを聞くな、と批難されたが、甘く蕩けた否定的な音が可愛くて俺は健二に深く口付けた。

「んっ……ふ……」

逃げる熱い舌を追い掛ける。
もっともっと――――深く。
深く――――。

口の中。
健二の、中。

窮屈で、熱い。
締め付け、蠢く肉。
うねり、俺に絡みつく。

搾取される……健二に。
俺の何もかもを搾り取り、やがて理性さえも奪い尽くして俺をただの獣にしてしまう。

「ぁっ……はっ……ふ、ぅん……」

健二の熱と息と声と卑猥な、音。

――――熱い。

互いの匂いが混じり、興奮して体温が上昇していくのがわかった。

「――――くっ……健二……っ!」
「あ、あっ! や、だっ……佐久――――はっ……あ、あぁっ……!」

同時に吐き出した熱。と、急激に込み上げる感情。

言葉にならない。
狂おしい程に――――ただ、健二が愛おしかった。

「……健二……」

呼ぶとズクッと。
胸の奥が疼く。

――――駄目だ。我慢しろ。

俺を見上げている健二が恥ずかしげに。
だけど、少しはにかんだ笑顔を見せているのに俺が泣ける筈がない。

――――感動したからって泣いたら呆れられるもんな……馬鹿だ、って。

「佐久間……」

不意に下から伸びてきた指先が俺の頬に、触れる――――と。

「あ……」

俺の目から一滴、涙が健二の額に落ちた。

「もう――――」

何で泣くんだよ、馬鹿。て、やっぱり言われたけれど。

「……だって、好きなんだ」

健二のことが好き過ぎて、切ない。と、俺はとうとう涙を堪え切れなくなってしまう。
そして、そんな俺の涙を拭いながらもう一度「佐久間ってほんと馬鹿だ」と可愛い憎まれ口を叩きながらも健二は笑って、少しだけ泣いた。



----------------------------------------------------------------------